30年以上にわたり、六古窯をはじめとして全国各地の窯業地巡りを行ってきた。
多種多様な焼物に触れていくうちに、
どのような人がどのような方法で陶磁器を作っているのかを知りたくなるのは、私の性分でもある。
ここで”自分で作る”という気持ちに駆られると素人陶芸に向かうのだろうが、
私の場合は作られた作品と、その作り手に興味を持った。
そしてまもなく”陶芸作家”という存在を知ることとなった。
陶磁器には大量生産による日常食器であったり、
美術品や高級食器などでも成形から絵付けまでをそれぞれの陶工が行なうものであったり、
作家活動としてほとんどの工程を作家自身が行なうものであったり、と多様な製法がある。
もちろん陶磁器を作るうえで作家と陶工の違いを多く掘り下げるつもりはないが、
とにかく”作家活動”を通じて生まれた作品には、私の心をなにかと惹きつけるものがあり、
否応なしに私の目の当たりとなっていった。
しかしながら私自身も個展会場まで足繁く通うことはなかなか叶わないし、
また、良い作品を作っているにもかかわらず、
”縁”に恵まれない作品や作家が多い現実もなんとなく分ってきた。
そこで地域や時間を問わないインターネットという世界を活用し、その現実を少しでも解消できないか・・・
と考えるようになり、この「ギャラリーえにし」というWebサイトを思い描くようになった。
もちろん、モニターに映る画像から
皆様に作品の本質をどこまでご理解いただけるかは甚だ不安ではあるが、
私なりに最善を尽くしていければ、と思っている。
「ギャラリーえにし」をとおして
ご縁をいただいた作家さんとその作品たちを紹介させていただくことで、
微力ではあるが、さらに”作品”と”お客様”との”えにし”をいただければ・・・
私にとってこれほど嬉しいことはありません。
サイト統合の発表をしてからあっという間に数か月経ってしまった。
ギャラリーえにしをオープンしてから10数年がたち、えにし庵も
7~8年経過している。 なぜ2つのサイトにしたのかとお客様からは
よく聞かれるが、大した意図があったわけではなく、ギャラリーえにし
のサイトに陶芸の作家さんが多くなってきたのと、他の工芸作品も
紹介したいと思いえにし庵を後から立ち上げたに他ならない。
現在は、懇意にしているウェブデザイナーさんにいろいろ無理を言って
作品更新などをしてもらっているが、2つのサイトでの運用は何かと
不便を感じてきたのも大きな理由かと思う。
今回の統合にあたり、何名かの作家さんとは取引をやめさせて頂いた。
一番の原因は、作品を送っていただけないことである。
作家さんにもよるが多くは個展や頒布会を中心に販売をしている方が
多く、お願いしても様々な理由で送っていただけなかった。
もともと趣味が高じて立ち上げたサイトでもあり、作品そのものが
売れる売れないよりは気持ちよく取引をさせて頂きたいというのが
正直な理由であった。
リニューアルをあまりお待たせをしてもと思ったので、多少見切り発車的なところも
あるかと思うが、今までの経験を生かしてより良いサイトにしていければと考えている。
ギャラリーえにし